TeXの美しい数式をIllustratorで使いたいという方へのTipsです。
1.何はともあれ数式を書く
TeXで数式を書きます。下にサンプルを載せます。内容はとにかくなんでも結構です。
\documentclass{jarticle}
\pagestyle{empty}
\begin{document}
$S=\frac{(p_2^0)^2}{4k^2} \int_{p_1}^{p_2} \frac{1}{p_1}dp_1$
\end{document}
2.platexでコンパイル
そして上で作ったsample.texファイルをコンパイルします(ご自分の環境に合わせ行ってください)。
3.EPSファイルの作成
dviファイルをEPSに変換して、Illustratorで使えるようにします。以下のコマンドをdviファイルがある 場所をカレントディレクトリとしてからプロンプト上で実行してください。("sample"の部分はご自分のファイル名 にしておいてください)
dvipsk -Ppdf -E sample.dvi -o sample.eps
これでepsファイルが作られました。
4.type1フォントがIllustrator上で使えるようにする
このepsファイルをIlustoratorで読み込もうとしてもフォントが化けてしまいます。
そこでIllustratorでTeXのフォントがつかえるよう設定します。
c:/usr/share/texmf/fonts/ にあるtype1フォルダのショートカットを c:/Program Files/Common Files/Adobe/Fonts/Reqrd/Baseにつくればいいのです。あら簡単。
これでうまくいかなかった人はショートカットではなくtype1フォルダを丸ごとBaseフォルダにコピー してみてください。
以上の操作によりIllustrator上でTeXのフォントが使えるようになっているはずです。つまり文字化けせずepsファイルを 読み込むことができます。めでたしめでたし。
5.数式のアウトラインをとる
epsファイルから文字情報を消して、アウトラインを取ってしまう方法もあります。
2で作られたsample.dviファイルに対して次のようなコマンドを実行します(もちろんその前にdvi ファイルがあるディレクトリをカレントディレクトリとしておきます)。
dvipsk -Ppdf sample.dvi -x 3000 -o sample.eps
これでアウトラインがとれているはずです。
ちなみに-x 3000のオプションは3倍に拡大するという意味があります。なぜ3倍に拡大するのか? 理由は文字が小さいとアウトラインかされずビットマップになってしまうからです。
もし3倍でビットマップになってしまうようでしたら倍率を上げてみてください。